3.財産の把握

財産を把握しないと相続対策ができません。

財産リストを作成し、定期的に見直すと理想的です。

●借金などのマイナスの財産も必ずリストに入れます。

財産をすべて確認しましょう

 相続対策をするために、最初にするべきことは、財産リストを作成して、どのような財産をいくら持っているのかを把握することです。財産リストがなければ、誰に何を渡すか整理できません。そして、相続税の概算も計算できません。生前に作った財産リストがあれば、実際に相続が発生した場合、遺族が財産を探す際に便利です。


 リストには、預貯金、株式、不動産はもちろん、車や美術品などを金銭的価値があるものは、全て財産として記載します。配偶者や子供名義の預貯金や株式も、実態が被相続人のものであれば相続財産とされますので、リスト載せてください。


 その他、生命保険金などのみなし相続財産もリストに載せます。


 さらに、借入金やローンなどマイナスの財産も忘れずに記載しましょう。クレジットカードの未決済金、リボ払い、キャッシングの返済金、未納の税金、損害賠償義務、事実上の未払金や買掛金などもあれば、リストに加えます。


 また、過去に行った贈与もリストに載せましょう。例えば、兄弟姉妹の中で1人だけ親から住宅資金を援助されていた場合、その分を考慮して財産を分けないと他の兄弟姉妹との公平が保てないからです。

見直しを定期的に

 財産リストは、一度作ったらそれで終わりではありません。そのリストを定期的に見直すことが大切です。例えば、年に一度更新する日を決め(年末年始、年度初め、誕生日など)、修正を加えていきます。

 

 また、それぞれの財産の金額は、購入時の金額ではなく、できるだけ現在の価値(時価)で書かれることが理想的です。なぜなら、例えば2千万円で購入した土地が現在の価値では3千万円に上がっていれば財産の分け方も変わるからです。

 

 相続税も、相続時の時価をもとに計算するのが原則です。不動産や有価証券などは定期的に時価を確認し、リストを修正されることをおすすめします。

財産リスト作成のメリット

 財産リストの作成は、相続対策に欠かせません。そして、今後の生活プランを見直す上でも役立ちます。現在の資産と負債の状況が具体的にわかるので、今後の生活費への備えが十分がどうか確認できます。さらに、株式や不動産の時価を定期的に確認することで、運用の見直しや売却のタイミングなども検討できます。

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