11.遺産の分割方法

●分割方法は、現物分割・換価分割・代償分割・共有の4つがあります。

●主な財産が自宅だけの場合は、もめやすい傾向にあります。

●共有は後にトラブルになりやすいです。

財産分ける方法

財産が現金や預貯金のように分けやすいものばかりですとよいのですが、中には不動産や事業資産などのように、すぐに現金化できないものもあります。
こうした分けにくい財産を複数の相続人で分けることになった場合、相続人全員が納得いく方法で分けるのは、なかなか大変なものがあります。


財産を分ける方法は、①現物分割、②換価分割、③代償分割、④共有の4つがあります。
①の現物分割は、土地は配偶者、預金は長男というように、財産をそのままの形で分ける方法です。
最もわかりやすく手続きも楽です。
しかし、個々の財産額に差があるのがデメリットです。


②の換価分割は、財産を売却し、金銭に換えてから分ける方法です。
公平に分けられるというメリットがありますが、その財産が現在誰かが住んでいる不動産などの場合、簡単に売却することができません。
また、売却した利益(売却益)には所得税がかかります。
その結果、財産が減ってしまうデメリットがあります。


財産の売却が難しい場合は、③の代償分割が考えられます。
例えば、自宅を取得した相続人が他の相続人に対し、多く相続した分を金銭(代償金)で支払う方法です。
ただし、それだけの資金を用意できるか、また代償金をきちんと支払ってくれるかという問題があります。
なお、代償分割の資金を用意する方法としては、生命保険を利用する方法もあります。


④の共有は、1つの財産を複数の相続人で持ち合う方法です。
公平さはありますが、将来的に権利関係が複雑になるなどのデメリットもあります。
いずれも一長一短がありますので、それぞれのケースに合わせて、分割方法を考える必要があります。

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