8.相続放棄・承認
●期限は相続開始から3か月以内です。
●3か月以内に申述しないと単純承認をしたことになります。
●一度相続放棄をしたら撤回できない
3か月の熟慮期間
財産調査が終わったら、相続するかしないかを決めます。
マイナスの財産が多ければ、相続放棄や限定承認を検討することになります。
これらの手続きは、相続開始日または相続人になったことを知った日から3か月以内に行わなければなりません。
この3か月間を熟慮期間といいます。
相続放棄をする場合は、相続放棄をする人が、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します。
限定承認を選択する場合は、相続人全員が共同で行います。
限定承認の場合は、専用の用紙がなく、「相続限定承認の家事審判申立書」に必要事項を記入し、審判を下してもらいます。
なお、認知症など判断能力を欠く人や未成年者が相続放棄をする場合は、法定代理人(成年後見人を含む)または特別代理人が申述することになります。
3か月以内に決まらない場合
熟慮期間にどうしても決まらない場合は、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申し立てることができます。
ただし、財産が多く調査に時間がかかっているなど、正当な理由があるときに限定されます。
安易に延長できると考えられますと危険なのでお気を付けください。
3か月を過ぎてから借金の存在を知った場合、やむを得ない事情があると認められれば、例外的に「債務があることを知ったときから3か月以内」であれば、相続放棄が認められる可能性もあります。
しっかりと財産調査を行い、相続開始から3か月以内に決断をするのが大原則です。