4.遺言書の確認
●遺言書の有無は相続発生後にすみやかに確認しましょう
●自筆証書遺言は裁判所の検認が必要です
●必要に応じて遺言執行者を指定します
遺言の有無を確認
葬儀や死亡後の届出などが終わったら、次は相続の手続きをします。
まずは、遺言書があるかどうかを確認します。
公正証書遺言を残している場合は公証役場に原本がありますので、遺品の中に遺言書の謄本がなくても最寄りの公証役場に問い合わせれば遺言書の有無がわかります。
自筆証書遺言の場合は、自宅の中で重要なものが保管されていそうな場所を探します。
被相続人が生前親しくしていた人や顧問税理士などにも、念のため遺言書を預かっているかどうか聞いてみるとよいでしょう。
自筆証書遺言を見つけたら、家庭裁判所で検認を受けなければなりません。
検認は偽造や変造を防ぐため、本人が作成したものであることを、相続人などの立ち合いのもと、確認・認定する手続きです。
検認の申立ては、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人が行います。
申立てから検認済証明書が交付されるまでは、通常2週間~1か月、場合によっては1カ月以上かかることもありますので、申立てはすみやかに行うことをおすすめします。
検認に立ち会えなかった相続人や利害関係のある人には、検認済通知書が郵送されます。
なお、封をしていない遺言書は、検認の前に中を見ても特に問題ありません。
一方、封をしてある遺言書は、開封しないで家庭裁判所に持参します。
検認の前に開封をしますと、5万円以下の過料に処せられます。
検認をしなかったことで遺言が無効になることはありません。
ただし、検認済みの証明がない遺言書ですと、不動産登記や銀行の名義変更などができないので注意が必要です。
遺言執行者の選任
遺言書で遺言執行者をしていることがあります。
その場合は、その遺言執行者にすぐに連絡を取ります。
以後その人が、相続人の代理人として相続財産を管理し、名義変更などの各種手続きを行います。
遺言書で指定がなければ、相続人同士で遺言を執行します。
執行がスムーズにいかなそうな場合は、家庭裁判所で遺言執行者を選任してもらうことができます。